どうもこんにちは。Jonathanです。
ついに!
トロフィー取得率100%を達成しました!
というわけでよろしくお付き合いの程。今回はチャプター4:「画家」をまとめました。
それではレッツラゴー!
前回の記事はこちら:
hootash-im-amenophas.hatenablog.com
Ch.4 画家
ここではカールの性格や嗜好、マーカスとの関係性、お宅訪問をメインに見ていきます。
ch.2で宣教師に罵倒されるわ店のおやじに小突かれるわ、はたまたデモ隊に暴力を振るわれるわ散々でしたが、無事お遣いを終了したマーカス。
●カール・マンフレッドのお宅拝見
一周目ではなんとなくマーカスは他のアンドロイドよりも特別な感じがあるなあと思っていましたが、二周目でいくつかその根拠に気づけました。カーラと比較すればすぐ気づけたのですが、第一に他のアンドロイドとは違う服を着ていること、第二に家の中ではアンドロイド識別服を脱いでいることが、その理由のように思えます。ボーナスギャラリーの内容を確認したところ、マーカスはカールの選んだ人間の服を着ており、アンドロイド法では個人の家の中においてはアンドロイドの識別服を脱いでもいいということになっているそうです。
ベリーニペイントで買ったものはどうやら画材のようだし、チャプタータイトルやあちこちに置いてある絵画、お宅の内装から、マーカスのご主人は画家で、階段に車いすレールが取り付けてあることから身体が不自由、そしてマーカスは身の回りのお世話のために働いているのかな、と想像。ご主人のカールを起こしに二階の寝室へ。
芸術家らしく、全ての家具や小物にこだわりが見て取れます。日本だとなかなかこんな色の壁紙を使うお家を見かけないけど、素敵だなあ。動物のはく製やデッサン、蝶の標本?精密画?もあります。前のチャプターで見たトッドの家とは大違い…。マーカスが満ち足りた家(とマーカスは思っているのかなぁ。アンドロイドだし)で暮らしているのがわかります。
●カール・マンフレッドという人
カールは起きてすぐ、マーカスに注射を打たれるのが日課のよう。しかも割と痛いみたい。採血だとあんまり痛いことはないだろうから、何か薬を入れているんだろうけど、薬の内容は作中で語られません。早々にマーカスに皮肉交じりの冗談を言いますが、マーカスも微笑みながら受け流しています。トッドとカーラの関係はいうなれば「使役」ですが、この二人の間柄には「家族」という言葉がぴったり。ここで、ch.2でマーカスがデモ隊に絡まれていると、カールがマーカスの服の乱れに気づきます。
「押し倒されただけ」と気にしていないマーカスに、「人間は愚かだ、そんなことをして何の意味がある。ケガはないか?」と、デモ隊に呆れ、マーカスを気遣います。もはやお父さんやんか…。カールはアンチアンドロイド派をよく思っていない様子。この時点で私はアンドロイドに思いっきり感情移入していたので、「こんな考えをしてくれる人もいるのか」と嬉しくなってしまう…。ここでマーカスは入浴介助のため、カールを抱き上げ、お風呂へ連れていきます。なるほど、足が不自由なのね。となると力仕事が多いだろうし、カーラのような家政婦のような見た目よりも力強い男性のタイプのほうが気兼ねなく世話をしてもらいやすいかも。そういえば、カールのパートナーや子供はこの家にはいないようです。
入浴が終わり、着替えを済ませてさっぱりしたところで、カールを車いすに乗せてダイニングへ連れていきます。マーカスに今日のスケジュールを確認するマーカス。MOMAというところで回顧展があるそうです。モマってなんだ?とググったら、どうやら近代美術館(Museum of Modern Art)のことらしい…?
ここでカールは「レオから連絡は?」とマーカスに尋ねますが、連絡はないとのこと。レオって誰や?アシスタントか仕事仲間のことかな?と最初は思ったのですが…。
この日の朝食はカリカリのベーコンに目玉焼き、生のイチジクとコーヒー。余談ですがアメリカって(欧米?)、朝食のスタイルは好みがしっかり決まっていて、卵をゆでるか焼くかポーチドエッグかスクランブルかオムレツか、加熱加減までしっかりリクエストするらしいですね。お店で頼むときも自分の好みをきちんと伝えるそうな。彼らにしてみたら「そのために対価を払ってるんだから普通の感覚だろ」だそうです。ちなみに私はカールのスタイルの食べ方が一番好きで、目玉焼きには塩コショウ派、付け合わせはハムよりベーコンが好き(聞いてねえ)。
ここで気になったのが、コーヒーを注いだマグカップ。なんだこのかわいらしいスマイリーは。子供が描いたような絵だし、離れて暮らす孫がいるのかなぁ、と初見時は思ったのですが…。マグカップって、デザインや使い心地などその人の好みが表れるアイデンティティそのものだと思いますが、カールのインテリアや食器の趣味からこのマグカップだけはどうも浮いています。ちなみに私はよくひっくり返しそうになるので、安定感のあるどっしりかつ厚めのスタイルを使います(聞いてねえ)。
朝食を食べ終わるまでは好きに過ごすよう言われたマーカス。ぼーっとしていると、テレビから米露が北極圏をめぐって対立しているニュースが流れます。ひとしきり聞いていると、カールはテレビを切り、独り言ちます。
”人間は堕落した―(中略)
―愚行に暴力…
5000年もの文明を築き上げたというのにこのザマだ…“
ひとしきりつぶやき、考え込むカール。厭世家というか、人嫌いというか、過去に色々あったのだろうなと思わされる独白。我が庵はみやこのたつみ鹿ぞ住む、世をうぢ山と人はいふなり、ってね。
さてマーカスの暇つぶしはピアノ、チェス、読書の三種類が選べます。どれをとってもカールの価値観がうかがい知れる会話が聞けます。
●マーカスの暇つぶし
語り出すと長くなるのでチェスの場合のみ紹介。マーカスが駒を初期位置に並べていると、カールがスピードチェスの勝負を申し出てきます。チェスができるってだけで尊敬なのにスピードチェスて。マーカスはともかくどんだけ頭いいのカール。
ここでカールとの勝負に「負ける」か「勝つ」か、それとも「引き分け」かが選べます。さすがすごいAI積んでるなマーカス。
マーカスが勝つか負けるか引き分けか(八百長と言わないで)で会話の内容が少し変わりますが、わざとマーカスが負けたとき、カールはこのように言います。
”投げ出してはダメだ
勝てるならば勝て
そうやって人間は世界の支配者になったんだ”
二周目以降に聞くと、なんとも含みがあるセリフ…。カールはマーカスにおべっかやゴマすりを求めているのではなく、対等な一個人としての付き合い方を求めているようです。それに、アンドロイドは人間を超えられる可能性を認め、彼らを一つの種族として考えているようにも取れます。アンドロイドを尊重する彼の言動は、先ほどまでのカーラに対するトッドの態度とはあまりにも違いすぎて、なんだか複雑…。さらにカールはこう続けます。
”私がいなくなったらお前も…
自分で身を守り
道を選ぶことになる
自分は誰なのか
どうなりたいのか
人間は皆 同じであることを求めるものだ
だがその言葉に惑わされてはいかんぞ”
てっきり私は、所有者を失ったアンドロイドは廃棄されたり、リセットされて新たな所有者のもとへ送られると思っていたのに、カールはマーカスに自分が死んだあとは自立して一人で生きて行けと言うのです。それだけカールにとってマーカスは特別なのでしょう。のちに判明しますが、マーカスはこの世界のアンドロイド技術を確立させた天才、イライジャ・カムスキーによって作られたプロトタイプであり、友人同士であったカールにプレゼントされた特別モデルです。なので、見た目や性格、性別などはカールのためにカスタマイズされたのかも。
それと同時に、この言葉はプレイヤーにも向けられているようにも思います。これからマーカスに起こること、マーカスに決断をさせなければならない時、「自分は誰なのか、どうなりたいのか」を考え、「自分自身の選択をくだせ」と言われているかのようです。現に作中内ではこの後、特にマーカス編では様々な登場人物がマーカスに対して「慎重に選択しろ、その選択が未来をがらっと変えてしまうぞ」という警告じみたセリフを事あるごとにかけてきます。
またカールは、自分はそう長く生きられないと自覚しており、一方マーカスは不老である上に部品さえあれば不死でいることも可能、そうであればカールと過ごす時間よりも離れ離れになる時間のほうが長くなるだろう、と現実的に考えているようでもあります。
カールがマーカスに静かに語り掛け、教え諭す姿勢は、スター・ウォーズにおけるオビ・ワンとルークのようだな、とも思いました。
●お絵かきからわかること
朝ごはんも食べたし、スタジオに連れていくよう指示するカール。
しかし、大きい絵を描けるってすごいなぁ。一枚のキャンバスで絵画を描いたことのない私はひたすら圧倒されたシーンです。
少しすると筆を止めて、マーカスに感想を求めるカール。「好き」「嫌い」「わからない」と答えられます。
マーカスの返事に対して自分のことを自嘲気味に話すカール。マーカスは悲しそうな、戸惑いのような表情を浮かべます。ch.2のお遣いでは表情を少しも変化させなかったのに、カールと接しているときは(決して派手ではないが)繊細な表情の変化を見せるマーカス。もしかしたら、カールと接しているときは感情が芽生えているのかな…。
そうしていると今度はカールがマーカスに「才能を見せてみろ」と言います。つまり「絵を描いてみろ」というのです。
そんなことはプログラムされていないから無理だ、というマーカスに対し、とにかくやってみろと言うカール。この「プログラムされてない」という言い方はまさにアンドロイド。私も無茶振りされたら言ってみたい。
カールの仕事道具のパレットを手渡されるマーカスは、マジかよーという苦笑いと、ちょっと照れた表情をする。父親の仕事をみていたら「お前もやってみるか」なんて言われてうれしそうな子供のようにも見えます。
それなら、と手近にあるものを描いたマーカス。絵を描いたことがないのにここまでやるとは、さすがアンドロイド。ちなみに一周目の際、私はカールの絵を模写すると、きっとマーカスは完璧に写してしまうだろうから、それによってカールが気分を害するのではないかと思い、無難なものを描きました。するとカールからは意外な反応が。
”これは現実の完璧な複製だ
だが絵画では模写するだけでなく 自分が感じたことを解釈し
表現することが大事なんだよ”
ただ見たものをきれいに書いただけでは絵画ではない、ということかな。
確かにカールの絵はネオシンボリズムと言われるだけあって(意味は分からない)、見た人に何かを感じさせるものがあります。ちなみにさっきのカールの絵を「好き」と評したとき、マーカスは「何かが秘められているけど、その何かはわからない」と言いました。当初は「マーカスお前それ適当言っただろ」と思ったけど、それは「芸術を評論する」行為がプログラムされていないから、なのかも?もしかしたら「何かを見て、何かを感じ、言葉にする」という行為は人間だからこそできることなのかな。
すると、カールはもう一度筆をとるようマーカスに言います。
”マーカス、目を閉じてみなさい
存在しない何かを思い浮かべろ 見たことのない何かだ”
目を閉じて筆を走らせるマーカス。アンドロイド→宿命を選ぶと、こんな絵になりました。
いや、暗いな!?
中央にいるのはおそらくマーカスで、その後ろには機械の部品が転がっている様子。アンドロイドのパーツかもしれません。おそらくマーカスが今まで目にしたカールの絵に影響を受けたものだと思われますが、カールは一言、
「素晴らしい」
と言います。もしマーカスが良い絵を描いたら、カールは画家としてのメンツが潰されたとかで怒ったり傷つくんじゃないかと危惧していましたが、むしろ誇らしげに心から賞賛してくれてほっとしました。この絵がマーカスから生み出されたオリジナルのものだということに喜んでいるようだし、例えアンドロイドの画家が台頭したとしても、カールは別段気にしなさそう。
年老いた画家とアンドロイドの心温まるお話でした。
…で、終わるわけないんだよな、これが。
●カールの息子、レオ
お絵かきしてほっこりしていると闖入者がやってきた。お前がレオか!!!
開口一番「なあ親父、金が必要なんだよ」ときたもんだ。典型的な、金持ちの親にたかるくず息子じゃねえか。ワンストライク!!!!!
それに加え、落ち着きのない挙動、うつろな目、妙なテンション、これはもしや…
カール「また薬をやっているのか」
ツーストライク!!!!
これ無人だったら絶対どっかからお金かカードくすねていっただろ貴様!!!
カールからきっぱりと金の無心を断られ、マーカスがレオを追い返そうとします。するとレオの怒りの矛先はマーカスに向けられます。
”どうせ自分の息子より、そのおもちゃのほうが大事なんだろう?あ?
こいつのどこがそんなにいいんだ?
賢いから?従順だからか?俺とは違って
だけどな こいつはあんたの息子じゃねえ
こいつはただの機械だ!”
スリーストライク、アウト!!
カールに一喝されると、さすがに黙るレオ。それでもなお食い下がります。
”あんたが愛しているのは自分と自分の絵だけさ
人を愛したことなんて一度もないんだろ
―俺のことだって”
それだけいうと、マンフレッド邸を後にするレオ。最後の一言を放った時は、怒りと、カールの愛に飢えた思いがひしひしと伝わる荒んだ表情をしていました。
このままで終わるはずがない…カーラ編とはまた違った種類の暗い不安を抱えて、このチャプターは終了します。
レオとマーカスの関係については、また後のチャプターで語ることにし、今回はここまで。
バイなら!!