イエウサギはカルダモンの夢を見るか?

ゲームや映画の感想考察殴り書き 画像や文章の転載お断り タイトルはうさぎとカルダモンが好きだからです

【ネタバレ】Assassin's Creed Etzio Collection トロコン&クリア感想

あなたのアサシンはどこから?

私はダヴィンチコードから!

 

f:id:jonathan_lynn:20210302104113j:plain

 

アサシンクリード・エツィオコレクション(以下アサクリ、エツィオコレクション)をクリア&トロコンしたので感想をまとめます。例によって例のごとくネタバレ全開です。

 

 ●トロコンまでの道

トロコンまでに所要した時間は…

アサクリ2(「以下AC2」):29時間

ブラザーフッド(以下「ACBH」) :41時間(うち数時間はトロフィー獲得条件を勘違いしていたため、必要以上にかかってしまいました)

リベレーションズ(以下「ACRV」):27時間

でした。

f:id:jonathan_lynn:20210301222051j:plain

ちょっともっさりしてる2のエツィオ君。

メインストーリーのトロフィーは攻略を見ながら効率よく取れるけど(時限トロフィーがあるため今回はちょびっと攻略に頼りました)、アクションの腕前を問われるACRVの鬼門トロフィー「博士は感動した!」「向こう岸へ」が辛かったです。それぞれ2時間くらいかけて取れたかな。この二つのせいでトロコンへの心が折れかけました。でもこれらに関しては予め攻略動画を見ていればもう少し時間はかからなかったかも。誰だよこんなトロフィー設定したのは!!!! 

 

●ゲーム性、操作性について

私はオリジンズをプレイしてから3→レディリバティ→4→ローグ→エツィオコレクションとプレイしていますが、オリジンズが快適すぎたのでどうしても過去作の操作性の不自由さにイライラしました。特にトロコンを目指そうとした場合はかなりキツいです。4くらいでやっと入力の反応が良くなったり、勝手に壁に上らなくなった気がする…。

あとはフルシンクロ達成の目標も相変わらずよくわからない。フルシンクロはトロフィーに関係あるだけなので、ストーリーだけ追いたい人は無視して構わないのですが…。

あとAC2ではシークエンスのリプレイ機能がなくてさみしい。「どんな話だっけ?」と振り返れないからねぇ。

 

●アサクリファンならぜひプレイすべき作品三本

 エツィオコレクションでは、「最強のアサシン」エツィオという男の誕生(なんと出産シーンから始まるよ)から晩年までを描いており、彼のアサシンとしての、また人間としての成長を事細かに感じられます。アサクリシリーズの中でキャラ描写の期間が一番長いキャラ(10代から50代)だし、正統派ヒーローである彼の人生に自然と感情移入できるから、ファンの中でエツィオの人気が高いのも頷ける内容でした。

 

●ストーリー紹介

まずAC2は「僕エツィオ!フィレンツェ生まれのハンサムなボンボンさ!家族が云われのない罪で死刑にされ、そして僕の父はアサシンだった!敵討ちだ!」

f:id:jonathan_lynn:20210301221116j:plain

父、兄、病弱な弟まで死刑にされるとは思わなかった

「そして敵はテンプル騎士、なんだかよくわからんが仲間を集めて奴らの野望を打ち砕く!」…というお話。

※お父さんのアサシン時代はゲーム内に収録されている「アサシンクリードリネージュ」で補完されてますがよくわからなかった。

 

f:id:jonathan_lynn:20210302104143j:plain

初っ端からクライマックス。

あと歴史上の偉人、レオナルドダビンチが主要NPCとして登場するのも楽しい。なんだかんだ憎めないお人。

f:id:jonathan_lynn:20210301220639j:plain

 憎めないと言いつつ、ACBHのレオナルドミッションがめんどくさくて辛かったけど…。

あとはフィレンツェトスカーナベネツィアの風景が美しいのなんの。石畳の上を歩くとちゃんと音がするし、イタリアに旅行経験がある人はきっと感動するんじゃないかしら。私はないけど感動したよ(貧弱なソース)。

f:id:jonathan_lynn:20210302155907j:plain

ナニコレディズニーシー!?

 

そして2作目、ACBHは無事ロドリゴの野望を阻止したものの、今度はロドリゴの息子にアサシン教団の本拠地を攻撃され、命からがら逃げだしたエツィオは一路ローマへ。

f:id:jonathan_lynn:20210302104517j:plain

ACBHの見どころは何といっても現存するローマの遺跡や文化遺産がそのまま再現されていること。重要文化財レベルの建物にひょいひょい上れちゃうのが楽しい。

エツィオ君もストーリー上で何かと「もう年なんだから」と言われるようになったり(そして言われるたびにちょっと不機嫌になる)。もっさりしてたグラフィックスもちょっときれいになりました。

f:id:jonathan_lynn:20210302105438j:plain

マキャベリが「本を出版する予定だ」というのに対し、エツィオが「大長編はやめとけ」と言ったのにわろた。多分「君主論」のことを言ってる。

また前作で仲間になった人たちはもちろん、歴史上の偉人マキャベリがアサシン教団の仲間だったり、コペルニクスを助けるサブクエスト、また若き日の恋人クリスティーナの思い出をめぐるクエストもあったりと、寄り道がたくさんでした。

あとボルジア一族は一家全員性格のねじ曲がったとんでもない敵でしたが、ルクレツィアは気のきつい美女で可愛かった。

f:id:jonathan_lynn:20210302153810j:plain

この子も割と損な人生なのよね。

f:id:jonathan_lynn:20210302153846j:plain

DLCの姿もかわいかったです。エツィオを誘惑しようとするけど…。

 

最後のACRVは、アルタイルの軌跡を辿るため、彼の故郷やイスタンブールを旅します。この旅はエツィオのお父さんがやろうとしてたんだけど、道半ばで成し遂げられなかったんだよね。

 

f:id:jonathan_lynn:20210302105921j:plain

いぶし銀に磨きがかかったエツィオ。話し方も威厳に満ちてる。

50代にも関わらず、まだまだ現役のエツィオ。若者にアサシンの心構えを言って聞かせるなど、長老としての振る舞いが様になっています。しかし長生きするってことは仲間もたくさん失っただろうし、彼の落ち着きは悲しみや苦しみを経て形成されたものかもしれません。一方で、イスタンブールの同胞ユスフから便利な道具を教えてもらうと早速取り入れる柔軟性も持ち合わせています。まさに理想の上司。

ACRVでストーリー上特筆すべきなのは、初代AC(以下「AC1」という)の主人公アルタイルの人生を(エツィオの目を通して)最期まで追えることです。アルタイルとエツィオ、二人の壮大な物語のエンディングを目にした時は胸熱でした(現代デズモンド編は3まで続くんだけどね)。

その反動でAC3が物足りないとか、ラドンハゲードンの人気が低いとか言われるのも、まぁ今となっては頷けます(私は好きだよラドンハゲードン)。3も主人公の晩年までのエピソードがあれば個人的にはもっとよかったのに…。

あとは今までの舞台だったイタリアとはまた違う、イスタンブールのオリエンタルな街並みがすっごい綺麗で「ナニコレディズニーシー!?」とはしゃぎまくったのもいい思い出。フォトモードがないのが残念。

 

f:id:jonathan_lynn:20210302110420j:plain

飛んでイスタンブール

 

●「最強のアサシン」そして「預言者」エツィオ・アウディトーレ

作品中重要なキーワードとしてしばしば登場した預言者(「予言者」でないことに注意)とはなんだったのか。それは、未来のアサシンのために、第一文明人のメッセージを預かる者、という意味でした。第一文明人のミネルヴァは、エツィオの子孫が自分たちが受け継いだ先祖のDNAを使って記憶を辿りにやってくると最初から分かっていたわけです。

2で「お前が預言者だ」と教団の仲間からやんややんや言われたエツィオですがその時はピンときていませんでした。しかし2のラストにてミネルヴァと交信した時や、RVのラストにてアルタイルの記憶を辿ったことにより、エツィオは「預言者」の意味とその使命を理解したのです。前述のとおり、彼は未来のアサシン「デズモンド」にメッセージを託すために生まれてきたのでした。ややこしい。

 

●「伝説のアサシン」アルタイルからエツィオへつながる物語

わたしはAS1未プレイなのですが(PS3持ってないのよ)、それでも十分アルタイルの人生が把握できたし、まさか92歳(!)のアルタイルを操作することになるとは思いませんでした。

f:id:jonathan_lynn:20210302110051j:plain

最早歩くこともやっとのアルタイルじいちゃん。

リンゴの力に取りつかれた大導師を倒した後(つまりAC1の過去編エンディング)、アルタイルや教団に何が起こったのかという、実質「続・AC1」をプレイできたし、往年のファンは感動しただろうな。私もAC1やってたら、もっと感動できただろうに。

特に、書庫の椅子に腰かけて「ゆっくり休む」を実行させられた瞬間には、アルタイルのことを全く知らなかった私でもグッときたのでありました…。

 

f:id:jonathan_lynn:20210302110129j:plain

おじいちゃん、よく頑張りました。

f:id:jonathan_lynn:20210301220413j:plain

アルタイルの遺骸が持っていた秘宝を手に入れるエツィオ。そしてエツィオが視たアルタイルの記憶を、エツィオを介してデズモンドが視るというややこしい状況。

一連のアルタイルの記憶を視たエツィオは、第一文明人から続く人類の歴史の前では、最強のアサシンも所詮小さな歯車に過ぎないと思い知らされるわけです。しかし自分の人生は決して無駄ではなかったはず。アルタイルがしたように、自分もまた未来のアサシンたちに願いを託そうと、ステージ上にマイクを置いて立ち去るアイドルの如くアサシンブレードをマシャフの書庫に置いて静かに立ち去った(アサシン引退、普通のおじさんに戻ります宣言)のでした。ちなみに彼のその後はゲームに収録されているCG映画「アサシンクリードエンバース」にて語られます。そちらも鑑賞しましたが、いやぁ…しんみりしましたね。

 

●まとめ

操作性にナンヤカンヤあっても流石は大作、いいお話でしたし、全ての物語を見届けた後は何とも言えない満足感と感動を覚えたのは間違いありません。世界史のお勉強にもなるので、ご興味のある方はぜひプレイしてみてください。

 

それではこのへんで。バイなら!