こんにちは、Jonathanです。
今回はCh.6「夜のあらし」を考察します。しかしなぜ「嵐の夜」ではないんでしょうか。何か意味があるのかな?
前回の記事はこちら:
hootash-im-amenophas.hatenablog.com
それではレッツラゴー!
Ch.6 夜のあらし
カーラのおかげできれいになったキッチン。リビングのソファで眠りこけているトッドを起こして夕食の時間です。
薄暗い時間なのに、ダイニングの電気は消えたまま。夕食を運んだカーラがスイッチを付けに行きます。普通、暗くなったらリビングにいたアリスが自分で電気のスイッチを押しに行きそうなものだけど、もしそれでトッドが起きようものならきっと怒鳴ったりするんだろうな…「まぶしいぞ!」とか言って。寧ろそういうことが既にあったから、アリスは何もせずじっとしてたのかも…などと色々考えてしまう。
食卓についても、アリスは目を伏せて正面のトッドを見ようとしません。明らかにトッドに対して怯えています。
「あり合わせのものですけど、これしかなくて」とカーラが作ったのはスパゲティ。HSG(H=話が S=それます G=が)、アメリカの貧困層と言われる家庭の子供たちは肥満の子が多いと何かで読みました。貧困層の子供たちと言われるとがりがりに痩せている姿を想像しがちですが、アメリカでは新鮮な野菜よりもパンなどの炭水化物やスナック菓子のほうが安価らしく、従って安くておなかが膨れる炭水化物の摂取量が多くなってしまい、貧困=偏った栄養による肥満体型、という図式が出来上がっているようです。この話を聞いたのがだいぶ前なので今もそうなのかはわかりませんが。
いやでも私も非常食としてスパゲティをストックしてるから一概にそうとは言えないだろうけどね。茹でるだけで出来上がりだし、おいしいしね。でも前の記事で確認した通り冷蔵庫にロクなものなかったし、アリスが人間ならこんな食生活を続けていれば肥満になってそう。現にトッドはアリスの宝箱から出てきた写真の時より太ってるもんね。年のせいもあると思うけど明らかに生活習慣も影響してるだろコレ。
おいしそうなご飯を目の前にしても、アリスの表情は硬いまま。ここでカーラは二人に水を注ぎ、アリスにナプキンをかけてやります。しかし食事に一向に手を付けようとしない二人。するとトッドが不穏なことをしゃべり始めます。
話を聞くと、職を失ってから生活が荒れだしたトッドを奥さんは諫めていたようですが、トッドは薬に手を出してDVを繰り返し、耐えかねた奥さんは会計士の男性と関係を持ち(本物の娘と一緒に)出て行ったそうです。アリスの表情に緊張が走る…。
この一言を聞いていると、あたかもアリスが置いて行かれたような風に取れるのですが、アリス=出て行った娘の代わりに購入されたアンドロイドと知った後で聞くと、トッドの錯乱ぶりと娘への執着が発覚し、余計怖いシーンに。
奥さんが出て行ったあと、トッドはパートナーとしての女性アンドロイドではなく、子供のアンドロイドを求めたわけですが、その理由はいくつかの条件が重なれば作中で本人の口から語られます。
トッドの語気が荒くなるにつれ、アリスの腰が引けていきます。
完全に、いつでも逃げ出せるように腰を浮かしているアリス。見ているほうにも緊張が走るシーン。うう、やめてほしい…。
星〇徹ばりのちゃぶ台返しをきめたトッド。カーラにも緊張が走ります。
ついにアリスを殴ったトッド。(このあたりは見ててつらかった…)大人の事情か、殴られる瞬間は映りません。血は出ていないようだけど…たまりかねたアリスは二階へ避難します。
アリスのところへ向かおうとするカーラをみてトッドが一言
「そこいにいろ!」
と命令します。マインドパレスにも「動くな」とデカデカと表示され、いつもの待機姿勢になるカーラ。
ここで少しでも何かボタンを押すと、マインドパレス破壊のフェーズに入ります。
プレイした方は分かると思いますが、このフェーズ時に命令文がどんどん文字化けしていく演出が、カーラの中で異常が発生している様子を克明に描いており、とても緊張します。
壁を壊したのはマインドパレス内のカーラですが、変異体となった瞬間自分の手を見つめるカーラ。自分に起こった出来事が半ば信じられない様子。
今度は「アリスを守る」というカーラ自身の意思がマインドパレスに表示されました。
一周目では、私はまずトッドを説得→突き飛ばされたのでトッドの部屋から銃を持ち出し、トッドを脅したら殺害してしまったのですが、今回は銃を持たず真っ先にアリスの部屋へ向かいました。
アリスの部屋へ向かったカーラ。アリスはあの小さなテントの中に隠れています。大人もそうですが、危機的状況では無意識に小さな閉鎖された空間へ避難しようとするのだろうな。カーラが家にやってきたときもアリスはテントの中に隠れていたし、テントの中がアリスにとって安らげるところなのかも。
そしてこのシーンの恐ろしいところは、ここでモタモタしてると選択肢がどんどん少なくなってしまうこと。
まぁ予想できたことだけど、やっぱりカーラが修理に出されたのはトッドの暴行が原因だった模様。その現場を見ていたアリスも相当ショックを受けたと思う。もしかしたら、アリスはその事件を目撃したことがきっかけで既に変異体になっていたかも?アリスは変異体か、変異体だったとしたらそれはいつからか、については本編で語られないので想像の域を出ませんが。
そうこうしているうちに、トッドがアリスの部屋へ。そこをどけ、というトッドに対してカーラは、
断 固 拒 否 。
LEDは黄色に光り、表はこわばっている。そりゃそうだよ、格闘なんかできない家事手伝いアンドロイドだから!
この後QTEでトッドと格闘することになります。成功するとトッドが傷を負います。ほんまに家事手伝いロボットなのか?(n回目)
それでもアリスにすがろうとするトッド。愛というよりは執着だね。
目の前の出来事に放心状態のアリス。Ch.1「人質」のエマも、人質に取られているあいだ同じような表情をしていました。
ショック状態のアリスの手を引いてなんとかカーラは家を脱出し、二人は通りがかったバスに乗り込みトッドから逃げ出したのでした。
ほっとしたのか、カーラの肩にもたれかかり手を重ねるアリス。カーラはその手を握り返します。
ここから二人の長い長い逃避行が始まるのでした。
●余談
トッドが生きていた場合、脱出に成功すると、バスに乗り込んだ二人に向かってトッドがこのように叫びます。
「俺はご主人さまだぞ!」は、まぁ所有物のカーラに対してだと思いますが、アリスの正体が分かった後に「俺のものだ!」のセリフを聞くと、おや、と思うことがないでもないような。
もしこの「俺のものだ!」がアリスを指すなら、どっちかというと「俺の娘だ!」とでも言いそうなもの。「俺のもの」がカーラを指すなら、わざわざ逃げるカーラに向かって「俺の(所有している)ものだ!」と言うのはちょっと変かなぁと(戻ってこい的な意味で言っているなら、まぁ通じるかな?)。英語のセリフを見ていないのでわかりませんが、このトッドのセリフは逃げる二人に対して「(お前たちは)俺の(所有している)ものだ!」と言っているのだとしたら納得。
ちょっとこじつけて考えすぎてるかもしれないけどね。
それでは今回はここまで。バイなら!
Jonathan